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塗り仏の宴 宴の支度・宴の始末

宴の支度 2019年11月20日読了
宴の始末 2019年11月28日読了

以下ネタバレを含みます

あらすじ

かつて警官として赴任した村が消えた。
関口巽は妹尾の紹介で知り合った光保に頼まれて、彼がかつて赴任した「へびと村」を探しに行く。
織作茜を殺した容疑で逮捕された関口は、「自分がやった」「逃げていく自分を見た」と証言する。

一柳朱美は、尾国の紹介で静岡県沼津に暮らしていた。
首つり自殺をしようとしていた男を助けたが、「成仙道」が鳴らす楽器の音で落ち着かない雰囲気の中、この男は再び自殺未遂をしてしまう。

「韓流気道会」を取材した中禅寺敦子は、話題の占い師・華仙姑処女と名乗る女性と知り合う。

上巻である「宴の支度」は短編集形式になっており、各話それぞれで物語が進む。
下巻である「宴の始末」において、それぞれの事件が集約されて、謎が解かれる。

事件らしい事件は一つだけ

今回は、事件らしい事件は織作茜殺しの一つだけ。それも妖怪が絡むような、憑物落としを必要とするような事件には見えない。
他の出来事は、当事者にしてみれば大変なことかも知れないが、事件と呼ぶには物足りない。

関口逮捕にも、敦子が連れ去られたことにも動こうとしない京極堂。周囲の人々が勝手に動くが、京極堂は何も言わずにそれを止める。
榎木津が京極堂を「唆し」、「宴」の犠牲者が他にも一人いることに思い至った事で、ようやく京極堂が腰を上げる場面が気に入っています。京極堂と榎木津の会話が好きです。

読み進めるごとに募る不安感

洗脳され、ゲームの駒とされていた登場人物達。
騙しているつもりで騙されているというのは、前作の、操っているようで操られているというのに似ていると感じました。

自分が信じていることは果たして正しいことなのか。
記憶が変わってしまえば過去の事実さえ変わってしまうのか。
記憶が信じられず、身近な人が信じられなくなったら、何をよりどころにすれば良いのかという不安が感じられる作品でした。

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